あと10年

あと、5年か10年、早く生まれていたらと思うことがある

 

大好きなあの人は16も歳上

 

彼が周りからかわいいやらかっこいいやらともてはやされ

ビジュアルの全盛期を迎えていた頃

 

わたしは小学生だった

 

今でも彼は全盛期だ。

 

そう思っている面もあれば、そう思っていない面もある

 

彼の声は、出会った頃から変わらず素敵だ

 

ビジュアルは全盛期にはほど遠いだろう

 

だけどわたしは、彼が小さなをあけて、口角を上げて、目元をしわしわにして笑っているのをみるのが好きだ

 

あと10年生まれるのが早かったら、もっとあなたに近付けただろうか

 

諦めてはいない。でも、現実の16歳差が、じわじわとわたしを攻め立てる

 

10年生まれるのが早かったら、あなたに出会わなかったかもしれない。

 

あなたを好きにならなかったかもしれない

 

けれども、今のわたしはあなたが好きだから

 

そう、思わずには居られない

 

大好きと何度伝えても

 

伝わっているのかどうかを確かめる術が、わたしには無い

 

無いからこそ、わたしはこんなにも、もどかしい

 

このもどかしさに苦しみながらも、わたしはあなたがずっと好きだろう